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メディアアート生活

美術館に作品を見に行かなくても、町中に作品は溢れている。話しかければその人の宇宙が始まる。

星の魚


おぼえているよ
ぼくが まだ
天の河を泳ぐ 小さな魚だったころのことを

あのときは きみも まだ
銀色の鱗をひるがえして
星のしずくをとばす 小さな魚だったね

ぼくたちは ときどき
空の果てを 探しにいったり
お月さまを たくさん集めてみたり
世界がひとつ終わるまで
平気で 遊びつづけた

そして 疲れると
ふたりで ぽかんと 暗い宇宙に浮かんで
新しい銀河が ひとつ
渦を巻いて 光りながら 生まれてくるのを
ぼんやりと ながめていたね
まるで もう なんども聴かされた
おとぎ話でも 聴くように

ずうっと そうしていたかったのに
気がついたら ここにいた
青い大気の海の底に
ばらばらに 生まれおちてしまった



夜になれば 偽物の星が 地上を埋めるけれど
空は遠くて 本物の星には もう 手が届かない



ここでの一生は
ぼくたちが 星の魚だったころ
笑い転げた一瞬と
同じ長さでしかない



でも会えた きみに



ぼくたちは もう 
星の林を 勝手に泳ぎまわることもできないし
世界が終わるまで
遊びつづけることも できないけれど



ぼくは きみの目のなかに 
宇宙よりも深い空を のぞく



そして そこに 見つけるんだ
いままで 見たこともなかった
それでいて ひどくなつかしいものを



きみは 宇宙よりも不思議



だから いっしょにいたいんだ
いつか 星の魚にもどる日まで ずっと
ずっと いっしょに










好きな詩ご紹介。

寮 美千子さん作。写真はFishtail@Taipeiさんの作品をお借りしました。





そして突然聴きたくなる、これもついでに紹介。↓


なんか好きなんだよ。テンションの差に注意。