メディアアート生活

美術館に作品を見に行かなくても、町中に作品は溢れている。話しかければその人の宇宙が始まる。

風が吹いたら、思い出して。(10/25)

なんだか最近電車に乗る度に、人が多いなって思う。

新宿駅なんて毎日初詣みたいだもの。

「みんなで集まろう!」ってなった時に、

東京は機能的でとっても好き。

だけど、毎日おしくらまんじゅうしてると、

さすがに疲れる。

そういう時、ちょっと心が窮屈になったら、

神社とか山とか、自然の多いとこに行くようにしてる。

「この木すげー。樹齢2000年だって。叶わないよ先輩。

 あなたのその包容力と落ち着き、優しさを私も見習いたいです。」



一礼、パン、パン、パン、パン、一礼。

ってやってると、心はだんだんほぐれていく。

でも、

いつも考える。
「ここ」と東京は何が違うんだろうって。

人より、
木と草と虫と土の方が多くて、
囲まれてる。って意識に安心する。

枝も、虫もなんか好き勝手動いていて、
誰も喋ってなくて、
でもいきいきしてて。

風がふくと、色んな種類の草や葉達は
みんなわさーって同じ方向にしなやかに傾く。

お日様は葉っぱの形に影を落として、
歩いていると、時々熱を感じたり、ひんやりしたり。

風がふんわりとほほにあたってくる。
髪をゆらす。

時計はデジタルで数えるのめんどくさくなって、
アナログでゆーったり円を描いてる。


いいな。この感じ。好き。

なんで山手線の中では、この時の気持ちになれないんだろう。

この時くらい、大きくて優しい気持ちでいつもいられたら。
そしたら、きっとずっと笑っていられそうなのに。

「人は五感を統合して、脳内でこの世界を再現しているから、
この世界は脳が見せた錯覚なんですよ。」

「外部から影響を受けたとき、どう受けとるか、どう感じるか
 というのは、実はあなたの選択に任されているんですよ」

知ってる知ってる。わかってもいる。

周りのせいにしないで、自分の心と考え方次第だってこと。

だけど、あいにく常に心の持ちようでどうにか出来るほど、
まだ達観してないもんですから、
なにか手助けが欲しい。

『都会で大きくて優しい樹齢2000年の心でいられる方法。』
を手に入れたい。

そしたら、風が吹いた。

嬉しくなって泣きそうになった。

「僕がいるじゃん。」
と言われた気分になった。

会社帰り、もうお日様も青空も店じまいで、
街が明るすぎて、星は発見できなかった。

街路樹はみんなどこかから連れてこられた上に、
四角くて狭い定位置に行儀よく並べられて、ちょっと不満そう。



でも、風は?

風は山の中と、ここと変わらないよ。

同じく吹いている。

見えないけど、強力な仲間。
都会の中で自然を見つけた。

これからは、風が吹く度、
森の中にワープできそう。

風を最近感じてますか?
吹かれっぱなしになっていませんか?

時間があったら、風と出会ってみると、
心が一つ柔らかくなるかもしれないね。