メディアアート生活

美術館に作品を見に行かなくても、町中に作品は溢れている。話しかければその人の宇宙が始まる。

Ⅴ→Ⅰ

波は不定形にリズムを繰り返す。

 

意志を持って打ち寄せ、


衝突し

、砕けて、

 

大きく歪み

、うねり、

 

泡になって

、溶かして、


穏やかに受け入れる。

 

 

 

海の記憶。

 

 

 

光と出会った。

 

深く潜った。

 

雨に出会った。

 

渦を巻いて荒れ狂った。

 

 

 

その時の記憶。

 

 

とどまらず形を持たず
変化し流れゆく、
その刹那-瞬間を切り取った、
刻を本当はどこか覚えている。

 

 

だから全てを許してしまえる。

出会ったものを癒して、手放していく。

 

 

青だった時の、
蒼だった時の、
碧だった時の、

 

 

 

記憶。

 

それらを本当は全部残しているから。

だから、わかる。

出会ったものの痛みが。

 

 

 

 

凪。

 

それは、
何も無いのではなく、
全てを受け入れた無。

 

飲み込まれ、抱きしめられ、
手放された時に、
全ては許されて消えていくだろう。

 

海の意志によって。

 

それを優しさと呼ぶには、
あまりに残酷すぎる。

 

 

それを愛と呼ぶのは、

あまりにふさわしすぎる。

 

 

今日も、風は吹く。

波は、寄せてはまた返す。

 

それが、当然だという顔をして。

 

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