私の幸せのために傷ついて頂けますか?
最後まで読んで下さい。
前から聞きたかったことが、あります。
触れてはいけないことだと思ってて、こうやって尋ねるのは避けてきました。
でも、もっと貴方のことを知りたいから、
今日は思い切って聞いてみようと思う。
気を悪くしたらごめんなさい。
でも、貴方が嘘を吐くのが巧いから。
どうせいつもみたいに、上手に誤魔化されるのは目に見えてる。
貴方は、「いつも生きていることが嬉しい」と言います。
お酒を飲むたびに、毎回その話をしては、潰れていますね。
この間だって、最終的には泣き出して、顔をぐしゃぐしゃにした貴方を、
店長と二人で介抱するの大変だったんだよ。
きっと覚えていないでしょうけれど。いいです。
私、いつもそういうキャラじゃないんで。
みんな、貴方のことを優しい人だと言うけれど、
私は違うと思う。
誰かと話している時だって、私と話している時だって、
貴方はいつも微笑んでるけど、その笑顔がたまにこわい。
いつも同じ顔で笑うから。
体はそこに確かにあるのに、心はどこか遠くで絶えず何かを考え続けているような、
うまく言えないけれど、そんな気分になって、ふいに悲しくなります。
優しいって言葉は、ずるい言葉です。
全部それで説明してしまおうとする身勝手な言葉です。
貴方は全然優しくなんてないよ。
誰かのためになったら嬉しい。ってなにさ。
君自身のわがままは誰が叶えるの。
たまには、怒ったり、取り乱したりしなよ。
ヒーローみたいな顔して、隙なんてない顔しやがって。
何でそんなに生き急ぐの。
何で「生きているのが嬉しい」って言った後、
誰も見ていないところで、辛い顔をするの?
私、ずっと君のことみてるからね。
隠しきれてないよ。
そうやって中途半端に、気にさせないでよ。
嘘で固めるなら完璧にして。
変に惑わせないでもらいたい。
君のいないところで、君の事を考えちゃってる自分とか、
本当に嫌で仕方ない。
私、そういうキャラじゃないんで。
書いていたら、だんだん感情的になってきちゃったけど、
どうせ明日も職場で会うわけだから、あんまり気まずくなると困るので、
このあたりでやめときます。
でも、最後にこれだけは言わせてください。
君が疲れ果てたときは、
いつでも、どこにだって、君の新しい顔を持っていってあげるから、
安心すればいいよ。
親愛なるアンパンマンへ
いち、同僚より。
*このお話はフィクションです。
どこで気づいた?
ひねくれものの私が、アンパンマンのマーチを聴くたびにしてしまう妄想。
ツンデレバタ子さん視点で書いてみた☆
失礼しました.